試験放送 アドレス125エンジン異音修理
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- S.A.T.O 傭兵部キーマスター
今週の故障探求任務
2023モデル 走行14000km
走行中に金属打音がある為、駆動系を交換し、一時的に異音が消えたが数日使用後に更に音が大きくなり再入庫。原因不明との事でこちらの傭兵部へ依頼された案件。エンジンを始動すると、シャラシャラと連続した甲高い金属音と共に、回転を上げ始めるとウォンウォンと低周期で唸るような音が聞こえる。
恐らく一定速度で走ると共振してシートに振動が伝わるレベルの不快振動が出ていると思われる。
駆動系を取り外した状態でエンジン始動すると唸るような音は消えるが、甲高い金属音が目立つようになる。
恐らくこの現象から前修理者は駆動系異常と判定したと推測される。唸るような音も気になるが、私的には金属音の方が気になる為、サウンドスコープで音の発生源を調べて行くとどうやらフライホイール側に集中している模様。
更に分解を進め調査した結果クランクシャフト右側サイドベアリングの損傷を発見。
一般的にスクーターのエンジンにおいて左側クランクシャフトはドライブプーリーや駆動ベルトで高負荷が掛かる為、軸受けのラジアル方向への耐荷重も多く設計され当該車両のように高年式、低走行距離で破損することは少ないが、フライホイールのバランシングが悪かったり、そもそもクランク組立時のフレが大きかったり、クランク組立幅とケース幅のバラつきが大きく、クランクをケースにインストールする際にアキシャル方向の応力が残ったままだとラジアルベアリングの寿命は一気に短くなったりする。
潤滑系トラブルで軸受け破損する場合、多くは熱と荷重が掛かるコンロッド大端とピストン、シリンダー及び油圧低下による動弁系にダメージが集中する事が多いが当該車両に関してはシリンダー、ピストンの摩耗も少なく、軸受部品の品質か組立に問題があったのではないかと推測される。
ちなみにピストンクリアランスは実測で0.06mmと空冷エンジンらしいクリアランスだが、整備書によれば限度は0.15mmと随分とガバガバになるまでOKとのこと・・・。
幾ら空冷とはいえそのクリアランスはアウトな気もしますが。
シリンダーの真円度は5/1000mm程度なので、14000km使用したエンジンと考えれば正常な範囲でした。
今回はメーカー保証期間中であった為オーナーさんへの負担も無く再修理が出来ますが、低走行の年式落ち中古車だったら修理代は大変な額になります。
二種スクを検討される方は、メーカー保証のある新車を是非!
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